前橋工科大学卒業設計展は2010年から開催して昨年で11回目を迎えました。本展示会は学部4年生の『卒業設計』、大学院2年生の『修士設計』を展示するものです。学生の活動を地域の方々に知って頂く目的として行われ、会場は前橋中央通りのアーケードからK’BIX元気21まえばし、けやきウォーク前橋と様々な場所で開催してきました。今年度はコロナの流行により展示会の開催中止という決断を致しました。 

 

しかし、同大学と地域を繋ぐ数少ない貴重な機会を無くさないために今年度はウェブ開催をする事に致しました。ウェブ上では伝えられる幅が狭まってしまうかもしれませんが、多くの方の目に留まるようにホームページを作成致しました。 

 

設計課題に取り組む学生達や、作品を作った卒業生達も同様にコロナの苦境に立たされました。それでも学生達は前向きに柔軟に対応することで、歩みを止めることはありませんでした。大学の講義や卒業生たちの取り組みの大半はオンラインにより進められました。各学年の設計課題ではコロナについての内容を含むものもあり、未だ不確定な情報が多い中で建築の行く先を見つめ直す様々な提案がなされました。そして大学での作業が出来ない代わりに家でも出来る作業に重きを置き、制限がある中での工夫や新たな試み、各々の表現が本展示会の中でも多く見受けられます。 

 

今年の卒業設計展のテーマは『チラ見』です。掲載された内容は作品の概要であり、作品のほんの一部です。しかしご覧になった方が一つ一つの作品全体が見たくなるような、卒業生たちの熱意が伝わってくるような、自然と目で追いかけてしまうような内容となっています。 

 

作成にあたり、実行委員をはじめ、作品を掲載してくださった先輩方、さらに作品をまとめてくださった総合資格学院　岸隆司学院長および同出版局、前橋校の皆様にも御礼申し上げます。 

 

最後に、本展示会を通して多くの方に、建築を考えるきっかけが生まれれば幸いです。